目次
1.直葬・火葬式とは?
直葬・火葬式という言葉を聞いたことはありますか?
直葬・火葬式とは、家族葬よりも簡略化されていて、「火葬のみ行う」送り方のことをいいます。通常のお葬式や家族葬と区別するために付けられた名称で、昨今、よく使われるようになってきています。
「直葬と火葬式に違いがあるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、どちらもほぼ同じ意味で使われています。直葬・火葬式は、ご逝去後に安置施設に御遺体を移動し、24時間以上経過後、手配した最寄りの火葬場(斎苑)へ移動し火葬を行います。告別式はもとより通夜や葬儀を行わない送り方であります。
最近、特に都市部では、「コロナ禍でもあり、多くの人数が集まらないなら」という理由で葬儀式を行わないで、直葬・火葬式を希望する方が増えているそうです。当地域では、直葬・火葬式は、身寄りのない方や、何らかのご事情のある方の利用が多数ですが将来増える可能性はあります。
葬儀の多様化といわれる昨今、直葬・火葬式とは、具体的にどのような送り方なのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
2.直葬・火葬式の流れ
従来の葬儀プランと異なる直葬・火葬式。では、どのような葬儀の流れかをご紹介いたします。
1.臨終・お迎え(搬送)
病院から死亡診断書を発行してもらい、葬儀社へも連絡をします。近くの葬儀社の手配により寝台車が安置場所(自宅or葬儀社)までご遺体を移動(搬送)します。
2.ご遺体の安置
亡くなってから24時間は火葬をすることは法律上できません。安置場所となる、ご自宅または式場の安置施設にご遺体を安置します。葬儀社の葬儀式場内にある安置施設には故人様がお休みになられる布団が常時用意されていますので、そのまま移動できます。
葬儀社は、安置場所のアドバイスや寝台車の手配を行います。また、ご遺体へのドライアイス措置などを行い、故人様を綺麗に保つためにサポートをいたします。費用は、ご利用の葬儀社のプランや、移動距離、安置場所の利用日数によって変わります。
3.葬儀社との打ち合わせ
葬儀社スタッフと、火葬場(斎苑)手配について、直葬・火葬式に立ち会う人数の決定など、詳細に打ち合わせを行います。また、葬儀社のスタッフが、役所に死亡届の提出や、火葬許可の申請など、必要となる手続きを代行してくれます。
4.納棺
故人は旅立ちのために、仏衣を身につけて身支度を整えられ、柩に納められます。納棺の際には、お花を手向け、故人の好きだったものなどを一緒に納めます。納棺する時間帯は葬儀社スタッフとの打ち合わせになります。
5.出棺・火葬
最後のお別れの後、お柩のふたをしめて出棺となります。火葬場(斎苑)までのルートはあらかじめ葬儀社スタッフと打ち合わせをしておきましょう。故人の思い出の場所を経由することも可能です。火葬場(斎苑)で、最後のお別れになり火葬となりますが、火葬に掛かる時間は斎苑により違いますが約1時間半です。それまでは火葬場(斎苑)の控室で待機します。
6.お骨上げから埋葬
火葬後に、遺骨を骨壷に納めることを「お骨上げ」といいます。遺骨を埋葬するために必要な「埋葬許可証」を渡してくれますので、確認して受け取り、大切に保管します。その後は散会となりますが、今後どのように埋葬するのか、葬儀会社や霊園事業者への相談が必要となってきます。昨今ではお墓が無い場合でも、樹木葬霊園など新しい埋葬方法もありますので、葬儀会社や霊園事業者などへ相談してみましょう。
3.直葬・火葬式のメリット
新型コロナ禍でも安全に葬儀を行えます
先述した通り、都市圏では、昨今のコロナウィルスの拡大に伴い感染対策として葬儀の参列者を限定する葬儀や、近親者のみで行う家族葬、通夜、葬儀・告別式を行わない直葬・火葬式が増えています。
直葬・火葬式は感染対策の観点から見ると、通夜や葬儀・告別式を行わないので、人が集まることがなく、コロナウイルス感染の拡大のリスクを防ぐことができる送り方といえます。
参列者に負担をかけることがありません。費用を最低限に抑えることができます。
一般に葬儀になると、通夜・本日に合わせ、各地から親戚や関係者が集まってきます。特に遠方であれば、通夜や葬儀・告別式に参列するために、前日から宿泊をして式に参列します。しかし、直葬・火葬式は、葬儀の参列がありませんので、そのための時間や金銭面は、すべて省略されます。特にご年配の方にとっては参列しないため遠方への移動リスクがございません。
直葬・火葬式では通夜、葬儀・告別式を行わないため、遠方のご親戚や関係者が葬儀へ参列することがありません。このように直葬・火葬式には、参列しないため親戚や関係者の負担がないのが特徴です。
葬儀費用を抑えるために最小限で執り行う
通夜や葬儀・告別式を行うと式場使用料、飲食接待などの費用が掛かります。またお布施、返礼品も必要になります。
しかし、直葬・火葬式の場合、通夜、葬儀・告別式を簡略化するため、通夜振る舞いや精進落としという食事の席を用意することがありません。また、葬儀場の利用料やお布施、返礼品などの費用がかかりません。
このように、「葬儀の費用を最小限にしたい」という方に選ばれる葬儀プランといえます。
直葬・火葬式でとくに注意すべきこと
逝去後、故人の親族、友人、知人、自治会、会社関係などへ訃報を送って、葬儀を執り行うのが一般的ですが、直葬・火葬式では、限られた近親者のみで執り行います。繋がりが多少なりともある中で、直葬・火葬式を選択する場合は、葬儀参列はなく、参列はお断りする旨を、必ず訃報に記載しておきましょう。
また、直葬・火葬式で行う場合、故人の兄弟、親族などへは直葬・火葬式で行う旨を丁重にお伝えしておきましょう。直送・火葬式を選んだ理由をきちんと伝えておくと未然にトラブルを防ぐことができます。
繰り返しになりますが、直葬・火葬式を進める前に関係者の了解を得ておくことがとても大切かと存じます。